昨日もこの世界の仕組みに負けて働いてしまった
昨日のお客A様(認知症の診断は無し)の話
私「今日はなんか買ってくるものありますか?」
A「あるんだけどよ~。おめぇは買ってきてくれるかな~」
私「(嫌な予感……)もしかして……あれですか?あれはダメですよ。息子様に止められています」
A「内緒で頼む」
私「ダメです」
A「もう一人の子(このA様は若い男性ヘルパーも入っています)は内緒で買ってきてくれるぞ!内緒で頼む!絶対に誰にも言わないから!内緒で!もう一人の男の子にも内緒でって約束してるし、俺は誰にも言ったことねぇ!!!」
私「いやすでに私に今言ってますからね」
高齢者の内緒ほど信用できない内緒はありません。
※ちなみにあれとはお酒のことです。お酒。
このお客様は癌です。
治療はなさらず、自然に任せて自宅で最期まで一人で過ごしたいということで毎日ヘルパーが入っています。本来なら家族は施設入所をして欲しいのだと思いますが。
息子様がたまにお酒を持ってきてくれます。それが全て飲み終わってしまうと、A様はヘルパーに買ってきてくれと頼みます。
勿論お酒はダメです。息子様に酒は買わないで欲しいと止められています。
そして基本的にはヘルパーは酒類の購入はNGです。
しかし、そのヘルパーによっては、内緒で酒やたばこを買ってくれるヘルパーもいるかと思います……
勿論、若い男性ヘルパーが酒を買っているかはわかりません。このA様が酒を買ってほしいがためについた嘘かもしれないし。本人に確認するしかないでしょう。
でも……
買ってきてあげてぇな~って思います。やはり、買ってきてあげたい。
もう先が長くないことは本人も知ってる。
誰に縛られることもせず、残りの人生好きなことをして、自由に過ごしたいのだろう。
私だって同じ立場ならそう思うかもしれない。
酒が大好きで、死ぬまで大好きな酒を飲みたいから施設に入りたくないのかなとも思う。
A様は毎日楽しそうに酒を飲み、陽気で私どもを「よく来たな~」と迎えてくれる。朝っぱらから。
今更何をどう頑張っても、この人は長く生きられない。もしかしたら明日死ぬかもしれない。明日訪問したら、冷たくなっていた……というのもありえなくはない。(独居だと稀にあることですね)
それなのに、もしも最期が酒のない人生だとしたら……
ああ……
酒買ってきてやりてぇな!!!!
これはヘルパーのエゴでしょうか。
もしも若い男性ヘルパーが本当に内緒で買っているのなら、気持ちは分かる。分かるよ。分かる。
まぁ「内緒だよ☆」って言って買ってきちゃう方がこっちも楽だしね☆
でも、息子様に止められている以上はお断りしました。
心が痛みます。ごめんね。
どうか、明日も訪問したら元気に迎えてくれますように。
できることなら息子様がお酒を買っといてくれますように。
やっぱり労働はクソ!!!!